昼間は心理カウンセラー 銀座No.1ホステスの心をつかむ話し方

著者 :
  • こう書房 (2009年11月3日発売)
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本棚登録 : 243
感想 : 27
4

"「何を話そうか」で頭の中がいっぱいの人が、
コミュニケーション下手の特徴なんです。"

この言葉、ぐさっとくる方、きっと多いはず。
相手の事を考えるあまり、
「相手を飽きさせたくないから」「相手をしらけさせたくないから」と、
何か気の利いた話題を振らなければと焦ってしまい
余計にドツボにはまってしまう。

でも、話が上手な人は聞き上手と言われているように、
口下手でも別に大丈夫なんです。
なぜなら、会話は”広げる事と掘り下げる事の繰り返し”だから。

全ての会話のタネは目の前にいる相手について、それだけです。
一つ一つの言葉、サインから、会話を広げ発展させていくことで
情報を手繰り寄せる。
そうしたら、もうこっちの勝ちも同然です。

自分がいくら話のネタを持ってたって、相手に響かなきゃ意味がないんです。
小ネタや雑学はアイスブレイクとしてのテクニックに過ぎない。
「こいつわかってないな」「なんかずれてるな」なんて思われたら
そこでおしまいです。
数うちゃ当たるだろうと、適当に話題をひけらかして
「さぁ、どれがおもしろいんだ!?」と反応を必死に探る人もいますが、
こんなの最もやっちゃいけないですよね。

そう考えると、大事なのは、
相手の興味関心・悩み・タネにピントをしっかりあてること。
相手の話を引き出すこと。
いかに自分の労力を割く事なく相手に話をさせるか、
そんな心理テクニックや理論が
この本にはとてもわかりやすくまとめられています。

相手の事は必死に考えるのですが、現場力が乏しい私は、
いつも事前に準備していた質問を出し切っただけで、終わっていました。
こんなの、台本通り行動したに過ぎませんね。
会話はその時その時で変化するからこそ、
現場での力を鍛える事がとても大切なのでしょう。

また、この作品には、
水希さんの「女性としての立ち位置や武器を生かしましょう」
というメッセージが暗に込められていると感じます。

相手が欲しいと思う反応をする、
相手の本音を引き出す、相手の欲求を満たす、
その結果、解決の一手を見出させてあげる・・・
身のこなしや姿勢一つ一つもとても大切。

男性に良い気分をさせてあげる、そういうしたたかさや賢さが
今の日本社会で生きぬく上で大切なのだと痛感。
まだまだ男尊女卑の社会だと日々感じているからこそ、の感想でしょうが。

話が分かる人間は
いつだって、どこにいったって、頼りにされます。
単なる会話力を極められる本ではなく、
社会での女性の立ち位置を理解し、したたかさと賢さを武器に
スマートに生き抜くための処世術を学べる良書です。
まだ実践していないから★4つですが、
実践してうまくいったと感じたらきっと★5つにします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月3日
読了日 : 2016年11月3日
本棚登録日 : 2016年11月3日

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