副題の通り、仏教徒になるつもりはないけれど、仏教や瞑想によって開かれる境地に興味があるという人を対象にした仏教および瞑想の入門書である。
「悟り」というのは唯一のものではない
各々の瞑想法には目的の違いがある
瞑想をすれば人格が良くなるとは限らない
自由というのは思いのままに振舞うことではない
悟ったからといって辛さがなくなるのではない
瞑想することによって失われる感覚もある
「信仰」によって合理的思考力は毀損されない
俗世に積極的に働きかけることも仏教の大切な側面である
…などなど、興味深く刺激的な内容が並んでいた。自分の中に漠然と存在していた仏教に対する偏見が次々と解消され、新たな知見が開けていくのは爽快であった。
この本は、普通の人が仏教に触れることの価値を、誇大表示することなく真摯に提示することに重きを置いている。瞑想についても、利点と欠点をちゃんと示し、それらを理解した上で瞑想を実践してもいいし、しなくてもいい。するならば、目的をはっきりさせ、それに合った瞑想法を選びましょう、と述べている。価値観を押し付けることなしに正しい知識を提供してくれるという点で非常に優れた入門書だと思います。
私自身は、本書に載っている手動瞑想をしばらくやってみようと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年11月6日
- 読了日 : 2016年11月5日
- 本棚登録日 : 2016年11月1日
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