やってみなはれ みとくんなはれ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年8月28日発売)
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本棚登録 : 459
感想 : 39
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 「サントリーって何の会社?」って問われたら何て答えます?烏龍茶?はちみつレモン?CCレモン?プレモル?

「マッサン」ブームの最中で、「今売らずにいつ売るんだよ!?」って感じなんですが、この本はどこの本屋に行っても全然置いてないからびっくりした!!ジュンク堂や紀伊国屋等大きい書店にもTSUTAYA(市内で一番大きい)に行ってもない・・・。
 ニッカの方の『ヒゲのウヰスキー誕生す』はどこ行っても置いてあるのに、サントリーの鳥井信治郎(ドラマでは堤真一)のこの本はどこ行ってもないんですよねえ・・・。本屋の店員さん、もうちょっと勉強してコーナーをちゃんと作ってください、ホンマに。
 最終的に図書館で借りたんですけど、読書習慣の日が浅いんで図書館でまともに本を借りたのは初めてかもしれません。タノシイ。

 この本が面白いのは、サントリー元社員の開高健と山口瞳が書いてるところ。自分は開高さんの著作数冊と、山口瞳の『江分利満氏の優雅な生活』の映画版からこの本に辿り着いたんですが、丁度「マッサン」にだだハマりしてる最中でした。「あまちゃん」以来で毎回ちゃんと観てます。

 本の内容は良いんですけど、前半の山口さんの文章と後半の開高さんの文章をどうしても比較せざるを得ない。そうすると山口さんの文章はあんまりうまくない。開高パートに入ると硬質で論理的な文章になり、急に面白くなります。まあ開高パートが戦後史ってのもあるんでしょうけどね。

 最初に書いた「サントリーって何の会社?」って答えですが、昭和の頃はまだお酒飲めなかった世代なんで、「マッサン」を観るまでサントリー=ウィスキーって発想がまったくなかったんです。赤玉やダルマ、トリスや山崎とかは知ってたけども、ビールの会社かとずっと勘違いしてました。
 ビール事業に参入するのが悲願であって、2代目の頃に壽屋からサントリーと名を変えようやく達成できたそうですね。初出が1969年とかなり前に書かれてるんですが、後の1987年、アサヒのスーパードライ発売に端を発する「ドライ戦争」を予言するような開高さんの記述が非常に興味深いです。つか当たりすぎててすげー怖い。

 アル中になりかけるほど飲めるけど最近晩酌は禁酒中の友達と、そんなに飲めないけど普通に酒好きの僕の意見を総合してみたんですが、スーパードライは美味しくないです・・・ただ苦いアルコールの汁、みたいな。プレミアム系かせめてラガー以上じゃないと、と・・・一番搾りで充分だけど。あとハイボールも濃いめで作ったほうが美味しくないですか?奥さん!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2014年11月7日
読了日 : 2014年11月4日
本棚登録日 : 2014年10月26日

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