「喫茶店」で巻き起こる数々の奇跡、退職を決意したあの日、「青春」の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、偏愛する本や映画に音楽、「干支」に怯える日々、恐るべき料理、封印された「小説」のアイディア。20世紀「最後」の「新人作家」が歩んできた10年。
伊坂幸太郎さんのエッセイ集第一弾。発刊されたのが、デビューしてから10年。
伊坂さんの人柄、優しさ、謙虚さで溢れていて、とてもほっこりしながら読むことができました。伊坂さんのお父さんがたびたび登場し、謎の存在感を漂わせる。
「父は行動する人である。『今できることはすぐにやるべきだ』とよく言った。服にこぼれたスープの染みを布巾ですばやく拭き取り、『すぐにやれば大抵のことはどうにかなる』と言ったりもした。』
たびたび登場するお父さんの話がどれも好き。ゴキブリに恐れ慄く様子や、干支に怯える姿。
「小説というのは理不尽なことに悲しんでいる人に寄り添うもの」
心に響く言葉も数多く残されていて、大満足です。
伊坂さんのことが好きな人は、もっと好きになれると思うし、伊坂さんを少し好きな人は、もっと好きになれると思います (?)
他の方のエッセイ集を読んだことがないのでわかりませんが、とてもユーモアとやさしさにあふれた作品です。みなさんもぜひ、手に取ってみてくださいね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年10月19日
- 読了日 : 2022年10月19日
- 本棚登録日 : 2022年10月19日
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