黒後家蜘蛛の会 3 (創元推理文庫 167-3)

  • 東京創元社 (1981年2月27日発売)
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何十回目かの再読。安楽椅子探偵という枠組みは本格ミステリの中でとてもフェアな形式なんだよ、読者と探偵が持っている情報は常に同じなはずだからね、という主張の反証として、私が挙げるのが「ロレーヌの十字架」。例のあの看板をアメリカで見たことのない人には、”おいおい、そんなの知らないよ~”。結局、筆者が読者との間に共有していると仮定される「常識」、つまり文化が違えば、安楽椅子もアンフェアにもなりうるわけだ。でも、わたしはこれがいちばん好き。文化の違いに気が付くことも一興。こんなおもしろい盲点、日本にも無いかなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2013年10月10日
読了日 : 2013年2月23日
本棚登録日 : 2013年10月10日

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