現在、さして売れていない作家がこんな題名の本を書くべきではないし、仮にも作家の立場から「この本を読んで、何度か投稿して芽が出なかったら作家をあきらめろ」なんてことを言ってほしくなかった(売れるまで苦労している人だからそういう部分、もっと応援的かと思っていたのに……)。しかも、そんな画期的な内容ではないし、全般的に古い。これをそのまま実行しても、今の読者は振り向いてくれない。これを騒ぎ立てて取り上げている作家志望者や編集者には、明るい未来はないと思う。デビューできても、たぶん売れないでしょう。そしてこの本をそのまま真に受けて、作家をあきらめる人がたくさん出てきたら、それは出版界にとって大きなマイナスじゃないでしょうか。ただでさえ、あんまり明るい業界ではなくなってきているんだから、もっと前向きになれるようなメッセージを発信してほしかったな。
そういうわけで、私は作家志望者にこの本を薦めません。これは『売れる作家の全技術』ではなく、『売れた作家の全技術』です。
私は作家志望者であり、すでにこの作者のいう「作家をあきらめなければならないライン」に到達していますが、これに反論するためにこれから作家になりたいと思います。
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- 感想投稿日 : 2013年3月3日
- 本棚登録日 : 2013年3月3日
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