傀儡(くぐつ)なんて、一読おどろおどろしい題名だが、いやいやなかなか面白かった。夏目漱石の猫と同じように、主人公の猫はしたたかである。人を傀儡として操る猫の傀儡師なのだ。江戸米町こと猫町で起こる様々な猫の厄介ごとを、傀儡に解決させようというわけだ。猫だけでなく人も大いに絡んでくる。いや、そのうちに人のほうに重心が移るのかな。やっぱり人情物だから。猫たちもやけに情が深いしね。傀儡になるぐうたら者の阿次郎がなかなかに魅力的。最後は、よかったあと思える終わり方だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
時代小説 猫もの
- 感想投稿日 : 2019年7月6日
- 読了日 : 2019年7月6日
- 本棚登録日 : 2019年7月6日
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