現在の外枠として、高校の校舎からの転落事件がある。とびとびの冬の章でその犯人を探っていくのだが、最後に意外な真相が待っている。しかしどうなんだろうなあ、この外枠が上手く機能しているのか。じゃあ、必要がなかったと言えば、この小説はミステリーではなくなってしまうので、微妙なところかな。とびとびの少し過去の春、夏、初秋、晩秋の章は、特別養護施設の保育士北沢春奈が相対する様々な事件での春奈の力いっぱいの奮闘に、大変だなという感想とともに暖かな気持ちにさせられて、読みごたえがある。これだけで小説が成立しないこともないのだ。しかし、これらのことが最後の解決につながるわけなので、うーん仕方がないか。どうしてもミステリーにしたかったんだよね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2020年12月9日
- 読了日 : 2020年12月9日
- 本棚登録日 : 2020年12月9日
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