好きな読書家さんがおすすめしてて、衝動買いして、読んでなかったけどやっと読めた。
私もその方と同じく翠色の習作が一番好き!!
ネタばれなしで読んでもらいたい。
元ネタがわかってるとほんとにきゃっきゃしたくなるというかほんとにもうきゅんきゅんですよ。
あとは十月の集まりと、他人と形見と宝と指示とサンバードがすごく好きだった。
引用は苦いコーヒーのものなんだけど、読んだ瞬間机をたたいて、その通りだ!!と心の中で諸手を挙げて賛同した。
日本は生きるのに苦労しないから、どうも生への執着が生まれにくくて、生きてることがどうもめんどくさい。
そして生きてる間は行きたいところにどうやったってたどり着けないから早く死にたいんだけど、自殺はちょっと事情があってできないし、となると死ぬのもめんどくさいし。
ままならない。
短篇通してこの人は、生も死もつながっていて、生きる上での食べることもセックスすることも苦しむことも全部灰色(あるいは藍色)がかって見てるように見える。
きちんと色がついてみえたのはサンバードで鳥が飛んできた一瞬くらいだった気がするな。
なんというか、イギリス生まれ、といわれてすごく納得できる文章の色だった。
それがどれくらい金原さん野沢さんのフィルターがかかってるのかわかんないけど、読んで良かったと思う。
この間、ある映画を見てから、あたまの中で「flesh,flesh!!」と歌う声が鳴り響いて離れないんだけれども、私はミンチにはなりたくなくて。
でも一枚肉で美味しく食べてもらうには少し運動が足りないかなと思ってすごく反省していた。
この本の中ででてきたひとは、あんまり他人の味は気にしないみたいね。
私はどうせなら、一枚肉で、きちんと調理して食べてほしい。
ただの栄養源ではなくて、きちんと口にするのに値するものだと記憶してほしいと思うので、もうちょっと健康管理に気をつけようと思う。
- 感想投稿日 : 2012年8月5日
- 読了日 : 2012年8月5日
- 本棚登録日 : 2012年8月5日
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