彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社 (2015年10月20日発売)
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本棚登録 : 2801
感想 : 243
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待っていました、待望の新シリーズ。Wシリーズと聞けばそれは連続していると誰もが期待するでしょう。

しかし期待はまったく外れたかのように、近未来の日本が描かれる。よくわからないまま隔離されるため、序盤は少々何が起きているのかわからずだらだらしてしまうが、この短い中で話をとんとひっくり返しておもしろくしてしまうのがまた流石、と思ってしまうのは、信者の感想かもしれない。

森さんの作品を読んでいる方は、ある単語がひたすら気になるかと思う。そしてやはり、一見なんでもない単発ものに思える話が、あのシリーズにつながっていく。
森さんのなかであの世界はこんな未来につながっていたのかと思うと、あの人の思考を少し見ることができたような、そんな勘違いができてしまう。

意外性を感じたのは、ある種の価値観、倫理観を問う世界だということ。森さんの作品で倫理が論点になるとは思いもしなかった。しかしこの考えに、正しい答えなどないのかもしれない。
5作品予定だったか、この世界での結末はいったいどういうものになるのか、期待をこめて☆は5つ。──連作がまた読めるというだけで、満足してしまっているので、正当な評価とは云えないかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2015年12月12日
読了日 : 2015年11月12日
本棚登録日 : 2015年12月12日

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