恩田陸炸裂の短編集。
あとがきで想像力がないようなことをおっしゃっているがここまでしておいてそれはない!と思わされるほど世界観ががっしりしている。そのまま長編に突き進んでしまっても良さそうなものである。むしろ短編で終わってしまうのがもったいない。どうしたらここまでの世界観をこの短いなかで収めてしまうのか、その手法に驚かされる。作品はもちろんだが、可能性にもただただ圧倒された。
万人受けはしないかもしれないが、恩田陸という人の短編は、こんなにも素晴らしいと伝えられる一冊。個人的にはあれもこれも、と云いたくなるほどおもしろかったので細かく説明できないが、「いのち」をめぐる短編集で、表題作『いのちのパレード』はドキュメンタリーな風景として流れて来るようだったし、『蝶遣いと春、そして夏』はとても美しい世界だった。
苦手と云わずこれからもゆっくりで良いので、またこれからも進化していくであろう短編を読みたいと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2015年8月1日
- 読了日 : 2015年7月31日
- 本棚登録日 : 2015年8月1日
みんなの感想をみる