テレビの特集を見て、東田さんの本を読んでみた。いろいろ思うことはあるけど、この本がすべて本人によるものであるとすれば、やはりこの人は自閉症の中で異質と呼ばざるを得ないと思う。つまり、自分は自閉症であり、「健常者とは違う異質な存在である」ことからスタートして、「それでも自閉症者はこのように感じている、思っていることをわかってほしい」と訴える手法は、「健常者の思考回路を理解」できないと難しいと思うからだ。そして多くの自閉症者にとっては、まさにその理解できないことこそ、ディスコミュニケーションの根本だと思われるからである。東田さんの「自閉傾向」は本人なりの適応の結果の二次的なものであり、primaryには発話失行なのではないか、と思った。
それでも、日頃自閉症者と接する私達の側にとっては、一読の価値はあるだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
対談・エッセイ
- 感想投稿日 : 2014年8月21日
- 読了日 : 2014年8月21日
- 本棚登録日 : 2014年8月21日
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