風果つる館の殺人 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社 (2006年8月22日発売)
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本棚登録 : 52
感想 : 10
3

のっけからの、

「昭和の官能小説ですか?」

なエロ描写には閉口しましたが、本編はなかなかどうして王道な本格推理小説です。
それも、犬神家へのオマージュと思われる設定てんこ盛りでなお嬉しい。

遺言書が関係者一同の前で開示された時点で、

こいつ以外犯人てありえんやろ絶対に。

っていう人物が案の定犯人だったのは嬉しいやら一抹の寂しさがあるやらでしたが、第1の被害者が出る前から伏線を回収できるっていう経験はなかなかできないので興味深く挑ませていただきました、ハイ。

……………それにしても、私みたいに、同じようなテンプレ推理小説ばっかり読んできた先輩達って、行く行くはどういう嗜好になっていったのかな。
私も、いつか不意に食傷して、気付いたら旅情ミステリとか手に取っちゃうのかしら。

それは何か寂しいなあ。
今以上に犯人丸わかりやん←←

綾辻以降の新本格に夢中になった世代の指針、何か必要じゃないだろーか。

と、不意にうすら寒くなった真夏の夜でございました。

【補足】
この手の不可能犯罪もののトリックはそもそも看破できるはずないと思ってますが、今回は凄かった。

それ、いくら何でも無理でしょ、どんだけ環境要因無視してんのー!って私を含む読者諸氏は白目剥いたと思います、ハイ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ●推理小説(国内)
感想投稿日 : 2016年8月11日
読了日 : 2016年8月11日
本棚登録日 : 2016年8月11日

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