死の扉 (創元推理文庫)

制作 : 小林晋 
  • 東京創元社 (2012年1月27日発売)
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本棚登録 : 146
感想 : 28
3

最近のミステリは装丁買いさせるわ~^^というわけで、可愛い名探偵と助手コンビの絵と、「死の扉」っていうタイトルのギャップに惹かれて購入^^

今回の容疑者達は被害者を殺す動機がばっちりある上に、

動機以外にも自分に都合の悪いことを素人探偵にちょいと突かれる

呆気なく白状

こいつは犯人ではあり得ない!

この図式が牧師から不良少年まで、幅広いキャラ設定の容疑者全員に延々繰り返されます^^これは若干冗長だったかな~

途中で現れるミステリスキーのミステリ薀蓄や、凶器の持ち主の長広舌、やたら「耳」を多用する校長など脇枠のキャラがさらに面白いです。主役のキャロラスが影薄くなるようなキャラの濃さ。改めて考えたら、主人公…地味だな…。

キャラも地味なら探偵活動も地味に進めて、容疑者に話を聞けば聞くほど犯人候補が消えていくという状況に追い詰められたキャロラスの真相解明の糸口は、何ということでしょう。「閃き」です。これは…論理的じゃないじゃないの…とざわめいた私の気持ちは置いておいて、その閃きをもとに犯人を推理していく過程は非常にロジカルです^^
証拠がないためにキャロラスが考えた捨て身の犯人あぶり出し手法も、二時間ドラマみたいでなかなか読み応えがあります(笑)。

地味な探偵活動、捜査過程で見えてきた新しい人物関係、犯人に命を狙われる探偵。そして最後はもちろん、「名探偵 皆を集めて さてと言い」。うーん、王道中の王道。これぞTHE・探偵小説。

キャロラスが示す真相の中身にゾッとしつつ、容疑者達が語った犯行当夜の各々の行動が綺麗に組み立てられていく作業は、読んでいて非常に心地良かったです。



小さな町で深夜発生した二重殺人。恐喝で有名な老婆が殺され、その死体を発見した巡回中の巡査が直後に殺されるというセンセーショナルな事件に立ち上がったのは、地元の学校の有名変人教師だった⁈
キャロラスは警察より早く犯人を指摘できるのか? そして、授業中に事件の話をせがむ生徒達の誘惑を断って、授業を進めることはできるのか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ●推理小説(海外)
感想投稿日 : 2012年2月25日
読了日 : 2012年2月23日
本棚登録日 : 2012年2月14日

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