時に著者自身を含む鑑賞者の目線、時に画家の知人の目線、またある時は「作品を描いた画家自身」の目線で、歴史に名を残す名作の数々をレビューするという体裁の本作。
著者の千住博さんご自身も日本画家なので、タイトルに惹かれて手に取ったはいいものの、きっと小難しい専門用語頻出なんでしょうな…と手に取ってみたら。
“ぼくはミロおじさんの絵がとてもすきです。”
小学生の感想文みたいなセンテンスがでてきてビックリ!(笑)めちゃくちゃ読みやすいじゃないの〜。
千住氏の私見・願望・画家に対するイメージが、過分に盛り込まれている感はありますが、絵を描くという行為そのものへの敬意や情熱をひしひしと伝える、愛に溢れた文章です。
絵を見て評価するスタンスは自由でいいんだ!
後世に語り継がれる名作と呼ばれる作品群は、批評家達が決めるんじゃない、我々普通の人間達が決めてきたんだ!
そんな大らかな著者の声が聞こえてきそうな作品でした。
私みたいな美術センスに乏しい頭でっかちな人間は、とかくその作品が作られた時代背景とかから作品を理解しようとするんだけど、そういうアプローチももちろんいいけど感じるままに自分でストーリーを勝手に練っても面白いかもな、って思いを新たにしました。
ゲルニカ特別展、楽しみだな〜。
【感想徒然(覚書】
とりあえず、ラファエロがとんでもなくパーフェクトな画家ということは理解しました。ラファエル前派。
フラゴナールのぶらんこ好きじゃないわ〜って言っておいて、緑とオレンジのコントラスト絶妙!とか褒めてるのおかしい(笑)。
あと、私はロココ好きだわ!わかりやすくて、かわいい!フランス革命をボーダーにしてるってのもわかりやすくていい!
千住さんは、もしかしてゴッホ贔屓?(笑)語る時の熱量が他の作家とちょっと違う印象受けたぞ?
ゴーギャンの?述懐
自作に心慰められる画家の陶酔を表現
- 感想投稿日 : 2016年2月29日
- 読了日 : 2016年2月29日
- 本棚登録日 : 2016年2月29日
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