ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1)) (創元推理文庫 523-1)

  • 東京創元社 (1974年12月13日発売)
3.67
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本棚登録 : 2377
感想 : 187
4

クラスメイトが読んで欲しいと貸してくれたので拝読。
小難しくて読めてない話があるから教えてくれとの事。お任せ下され!と読み始めたのですが、100年近く前の作品なので確かに文章がかたい。にも関わらず凄い世界観で引き込まれました。
クトゥルフ神話の元祖らしく、かなりダークな世界。
クラスメイト曰く「ダンジョン&ドラゴンズ」等に影響を与え、ラヴクラフトさんの世界観を元にしたボードゲームも人気だとの事。
わかるなあ、これはクリーチャーと戦いたくなります。(後方支援で)

短編集なのでまたそれぞれに感想を書きますのでご興味ある方はお付き合い下さい。実際に読まないと分かりにくい世界観なので簡単に書きます。

【インスマウスの影】
ラヴクラフトの代表作らしいので少し長めに。
旅好きの主人公の僕が成人した記念に母親の出身地アーカムに向かおうとするのですが、手前のインスマウスという町に興味を持ってしまいます。
この町が所謂『忌み地』で地図にも載ってなけりゃ街の人はあんなとこ行くなよ!って空気ですし、バスが出てるのですが誰も近寄りたがらず運転手も魚顔で超絶陰気。
しかし僕は逆にどんどん興味を持ってしまいついにバスでインスマウスへ向かってしまいます。
このインスマウスが読んでいてお風呂に入りたくなるようなジメジメさです。
住民は皆陰気で魚っぽい独特の『インスマウス面』をしているとの事。TRPGなどをやられている方には有名な単語らしいですが、恐らく疲れ切って本を背負い帰宅している時の私の顔に近いのではと想像しましたが、住人は一切口を聞きません。
街は静まり返っているのに内側から釘打ちされて使われていない家からは走ったりきしんだりする謎の音が。
私なら音速で帰りますが主人公は街に一つだけあるホテルに泊まります。そして翌日に街で買い物に出た際によその街から配属された店員と会話をした事から僕は恐ろしい街の真実を知る事に。
街の人は『ダゴンの誓い』とかいうろくでもない誓いを立てさせられており(この単語もこの界隈では有名な単語らしいです)街の人が狂ったように「イア・ル・リェー!イア!イア!」と叫び出す所では笑ってしまいましたが笑い事ではない。
この時は流石の主人公もこいつはヤバい!と思い逃げ帰るのですが、その際に遂に遭遇してしまうクリーチャー。気持ち悪い!最高!!
一応無事に逃げ帰れた僕ですが、その後が…。
感想というよりあらすじになりましたが、寝る前に読んだせいかクリーチャーに追い回される夢を見ました。「イア!イア!」と叫べば良かった。

【壁の中の鼠】
イグザム修道院という館で起きた恐ろしい儀式の話。この修道院では館の主人と子供が5人、召使いが何人か殺される惨殺事件が起きています。当時犯人だとされていたのが主人公の祖先。やがて主人公が引き継ぐ事になるのですが、改装時にこの館の地下やべーぞ?となるわけです。
館の謎が古典ではあるのですがゾッとするもので鼠恐怖症になりそうでした。ここでもおかしな言葉が出てきます。「マグナ・バータ!マグナ・バータ!!」

【死体安置所にて】
葬儀屋のバーチの身に起きた怪異譚です。今までのクトゥルフ神話をベースにした話ではなく箸休め的な物語でした。(これが箸休めになる辺りが凄いんですが)
うっかり墓穴に落ちたバーチが自身に優しくしてくれたおじいちゃんのご遺体が入った棺と、大嫌いな金持ちのご遺体が入った棺と共に夜を明かさなくてはならくなるお話。今ではこの程度では動じなくなってしまいましたが、幼少の頃にこれを読んだらトラウマになりそう。

【闇に囁くもの】
これが1番好きでした。またまたクトゥルフ神話を踏襲しつつ今度は宇宙にまで世界が広がります。
それこそRPGに出て来そうなクリーチャーが登場。
民俗学のアマチュア研究家で文学の教授である主人公が、ヘンリーという男と文通を始めた事からとんでもない研究を目にしてしまうまでのお話。
犬好きには辛い描写がありまして、やめて!ワンワンはもうやめてー!!と胃が縮こまる思いでしたが仕方ないと言えば仕方ない…。だって相手は怪物ですから。
このまま怖い話で終わるのかと思いきや、ぶっ飛んだ科学実験に展開。
これは後のSF作品に影響を与えたのではないでしょうか。四篇中最も嫌な終わり方です。勿論、褒め言葉です。

改めて古典を読んでみると新たな発見があって面白いですね。ちょうど、翻訳本を読める身体に戻そうキャンペーン実施中だったのですが、荒療治ですっかり翻訳本が平気になりました。
正直読みにくかったですが内容が内容なだけに翻訳も相当大変だったと思います。
クラスメイトのラヴクラフトがもう1冊手元にあるのですが、先に『ジェノサイド』に移ります。
返却期限が迫っていて、どちらが勝つか勝負です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2024年1月21日
読了日 : 2024年1月21日
本棚登録日 : 2024年1月19日

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コメント 16件

ゆーき本さんのコメント
2024/01/21

ジェノサイド!返却期限なんかに負けないで!
イア!イア!

インマウス顔で画像検索したらポニョが出てきた笑
疲れきった時のユキの顔…笑

yukimisakeさんのコメント
2024/01/21

あと五日!この分厚さに勝てるのでしょうか!!イア!イアー!!

本当だ!!ポニョ出てくる!笑笑
凄い顔してるな僕…笑。目が死んでる所がそっくり(≧∇≦)

1Q84O1さんのコメント
2024/01/21

イア!イア!
小難しくて読めてない話しも「お任せ下され!」で引き受けるユッキーさんは秀才??
イア!イア!

ゆーき本さんのコメント
2024/01/21

ほんとそれ!たくさんの本と映画の知識もすごいし。これから読みにくそうな本があったら まずユキに試し読みしてもらおうかな(* ˊᵕˋ )ノ

yukimisakeさんのコメント
2024/01/21

イア!秀才ではなく、本が読めるだけなのです!!(>_<)やっと届いた1Qさんお勧めの本もインスマウス面して取りに行かないと!!

yukimisakeさんのコメント
2024/01/21

映画は一時期狂ったように観てましたからその時の貯蓄を出してるだけでして(*´ω`*)
読みにくい本のお毒味は出来ますので投げて下さい(っ'ヮ')╮笑
皆さんの読まれてる数に比べたらまだまだです(*´ω`*)

yukimisakeさんのコメント
2024/01/21

そして、おふたりともノリが良くて爆笑しました笑笑。
イアイア言ってるコメント笑笑

1Q84O1さんのコメント
2024/01/21

本が読める、人はそれを秀才と呼ぶ!
イア!イア!
インスマウス面、人はそれをユッキーさんと呼ぶ!
イア!イア!
イア!イア!言いたいだけ!w

ultraman719さんのコメント
2024/01/21

凄いの読まれてますね〜
これ、栗本薫さんの「魔界水滸伝」読んでて知りました。この作品自体は、作者亡くなったんで、途中で終わってしまいました。



イア!笑

yukimisakeさんのコメント
2024/01/22

1Qさんが遂にクトゥルフ神話に侵されてしまったあ!!爆笑
いつの間にか僕がとある界隈では有名な代名詞に( ̄▽ ̄)ニヤリッ
イア!イア!って無性に言いたくなりますよね!笑

yukimisakeさんのコメント
2024/01/22

ultraman719さんまでイア!言ってくれてる!爆笑

うわ、タイトルからして面白そうですね!!読んでみたい♪♪ダークそう!
長いと作者さんのお身体問題が出てきますよね(>_<)
じゃあ魔物を倒せてないのかな。

ultraman719さんのコメント
2024/01/22

クトゥルフ
 vs
日本の八百万の神をメインにした神々+人間

って感じの話です。
話が壮大になり過ぎて、訳わからん終わり方だったようにも思います。
新の方は、作者亡くなったので、途中。
何か全部で、外伝とか入れて、30巻ぐらいはあったはず…

Wikipediaに載ってます!

ultraman719さんのコメント
2024/01/22

忘れてた!


イア!

yukimisakeさんのコメント
2024/01/22

ultramanさんこんばんは♪
Wikipedia見てきました!凄く長いですね!でも見てたらよみたくなってきて、とりあえずあと2冊読んだら1巻に挑戦してみようと思います(≧∇≦)
確かに風呂敷がめちゃくちゃ広がりそう…
教えて下さりありがとうございます♪

わざわざイアだけのコメント!!爆笑
イア!イアー!(ありがとうございますの意w)

ultraman719さんのコメント
2024/01/22

感想よろしくお願いします〜
イア!笑

yukimisakeさんのコメント
2024/01/22

楽しみです(≧∇≦)クトゥルフ×水滸伝!
イア!を忘れないultramanさんに寝る前なのに爆笑してます笑

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