松岡正剛氏がインタビュー形式で読書の魅力や方法などを語った本。口語調で約200Pなので軽く読めるが、受ける印象は遥かに豊かで充実したものだったと読了後に気づくであろう。
この本で得た一番の発見は、読書中の自身の認知活動がどうなっているかを知ることができたことである。例えば、
「人が何を読んでいるか分かっても、人がどのように読んでいるかはわからない」
「自分の感情や意識を無にして読めるかといえば、そんなことは不可能である。読んでいるハナからいろんなことを感じたり、考えてしまうものなんです。」
など、読書しているときの内面の動きを表した文章があり、興味深い。
また、難しい本を読むときは、それを理解している人あるいはその解説書を読むことで、その人の起伏感や強弱感を受け取って読みやすくなるなどの話も、読書中に行われている思考の動きを教えてくれる。
そのためこの本は、本を読むという行為が、今までよりもぐっと広くとらえることができるので、これからの読書がもっとワクワクするようになれる「パンドラの箱」を開けるような本である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年4月14日
- 読了日 : 2021年4月14日
- 本棚登録日 : 2021年4月9日
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