小さいおうち (文春文庫 な 68-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年12月4日発売)
3.87
  • (473)
  • (770)
  • (515)
  • (73)
  • (16)
本棚登録 : 5533
感想 : 690

おばあちゃんのお話を聞いているような安らぎを得られる素敵な作品でした。映画化されていますね。ジブリ作品となってもいいのではないかと勝手に思ってしまいました。漂うノスタルジーがなんともいえず美しいです。
女中奉公に出た少女の回想記。仕えた奥様への思慕、恋路を阻んだことへの悔恨の涙。

太平洋戦争に突入する間際にも、当然ながらほのぼのとした日常がありました。当時の人々の暮らしというと、なんとなくモノクロの、貧しい様相ばかり思い浮かべるけれど、それはあくまでも一面にすぎないのですよね。一方、戦争に導く民衆の空気って、意外と明るいものなんだなと、薄ら寒くなりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月16日
読了日 : 2022年9月16日
本棚登録日 : 2022年9月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする