痛快!憲法学 (痛快!シリーズ)

著者 :
制作 : 佐藤眞 
  • 集英社インターナショナル (2001年4月26日発売)
4.20
  • (52)
  • (20)
  • (26)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 331
感想 : 47
5

民主主義(デモクラシー)、戦争、経済、宗教、議会の観点から各国で憲法が成立していく過程を、歴史を紐ときながら解説した名著。
日本で憲法議論が巻き起こる今だからこそ読んでおきたい。
・憲法とはそもそも国民のために書かれたものではなく、国家権力を縛るために書かれたもの。国家と国民との約束事。従って、憲法に違反できるのは国家だけ?
・国家をリバイアサンと捉えたホッブスに対いて、国家は国民を守ると捉えたロックは、ロックの勝ち?
・憲法と民主主義は何の関係もない?
・少年の人権なんて言葉はありえない?
・キリスト教(ルター、カルヴァンが広めた予定説。予定説では既に人間の運命は決まっている。)を信じるとどんどんお金持ちになった?
・予定説こそが、資本主義、民主主義の原点だ。
・キリスト教の神の前ではみんな平等という概念こそが、民主主義の原点。
・絶対的な神がいなく、身分制が色濃く残る明治初期の日本で民主主義の定着に成功したのは、天皇こそが現人神であるという天皇教を意図的に再構築したから?
・第一次世界大戦後の平和主義こそが、第二次世界大戦の大きな原因?平和のためには戦争さえ辞さない覚悟がでキューバ危機に挑んだケネディ大統領だからこそ、核戦争を回避できた?
・憲法第9条第1項は第一次世界大戦後の1928年にケロッグ(米)さんとブリアン(仏)さんで結んだ、ケロッグ・ブリアン協定(不戦条約)のコピー。ケロッグ(米)さんはアメリカの上院議会で明確に、「国際紛争解決の手段としての戦争の放棄」には自衛戦争は対象外と証言しているので、当然日本にも自衛戦争は放棄していないと解釈するのだ妥当だ?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会学
感想投稿日 : 2015年2月19日
読了日 : 2015年2月19日
本棚登録日 : 2015年2月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする