約40年ほど前PC8001というパーソナルコンピュータの走りのマシンが発売されたのだが、メモリーは32K(32Mではない、しかも発売当初は16K)テキスト80桁×25行、グラフィック160×100ドット8色というとんでもないロースペック。発売後1年ぐらいで購入したが主たる目的はゲームであった。本書でも写真が出てくるTiny Basic Gamesなどに出てくるゲームを自分で打ち込んでプレイするのである。それ以前からあったStar Trekなどが一番のお気に入り。伝説の「信長の野望」初代版はPC8001用のゲームである。
本書は、ゲーム学とあるが取扱い範囲はほぼコンピュータゲームとなる。コンピュータの歴史からゲームアーカイブの収集・研究の現状。コンピュータゲームの特性・本質に関する考察。フィクションとルールの関係。コンピューターゲームが社会規範を拡張する話。そしてコンピュータゲームから見たポストヒューマン時代の未来学。
メタAIの概念は非常に面白く感じた。たちまちの効用はゲームのパーソナライズが可能なこと。キャラクターAIは人間と対等な対戦相手を実現する。
最後はモホ・デウスに対する批判としての未来を「ヒトも動物も機械もすべてひっくるめて、価値の中心がホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)ならぬアニマ・ルーデンス(遊ぶ生命)へと拡張されていく世界」と規定する。
やや学術書に近い内容だが、過去から未来にかけて(コンピュータ)ゲームを展望する本なのである。
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- 感想投稿日 : 2019年3月27日
- 読了日 : 2019年3月25日
- 本棚登録日 : 2019年3月27日
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