相変わらずの面白さとクオリティを持つシリーズ三作目。
女学園×SF×ミステリ×必殺仕事人の素敵な融合。七色の蝶が舞い四季をめぐる情景、コメディとシリアスのバランスのある会話、SF的な謎の解明、物語の感動、と満足度高し。
鏡子さんの独自な価値観をもった罵倒も健在(笑) 今回は連作短編集だから謎の解明と戦闘場面が何度も楽しめる。
不可解な謎を提示し、丁寧に伏線を張り、推理し、と、綺麗にミステリの構図を物語の進め方に用いている。ミステリの文法が藤間千歳という作家には身体に染み込んでいるんじゃないかな。
あと、風気質[マカライト]のトリックスターぶりは物語を動かす上でも魅力的なのだと今回判明。
好きなミステリ作家が誰なのか作者さんに訊いてみたいかも。
あと、SFとしての大ネタと事件の黒幕が重なるのが独特。
現在、新作を楽しみにしてる国内SF作家さんの一人。
国内SFミステリの書き手としても藤間さんが有望株だと思う。
それと、瀬名秀明の『デカルトの密室』と読み比べても良いかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年9月24日
- 読了日 : 2012年9月24日
- 本棚登録日 : 2012年9月24日
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