彼の愛した翠色 (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社 (2014年7月10日発売)
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本棚登録 : 84
感想 : 9
3

翠の中に父親からのDVから生まれた別人格・スイ。
本来の人格のはずの翠が消えてしまい、
残されたのはスイと、翠のことが好きな幼馴染・真優。

消えてしまった翠の帰りを待つ真優に
「僕にしときなよ」といってもすげなくされるスイ。
最初は同じ人間の別人格に恋した幼馴染に
片思いする切ない話かと思ったけど、
どうもそこまでスイが感じる辛さが伝わってきません。

…と思ったらそういうことでしたか!
「僕にしときなよ」で断られるまでが愛情確認だったわけだ。
そりゃそんなに辛くはないですね。

最初スイに向かって「翠に帰ってきてほしい」という
真優が無神経だな~と腹立たしく感じていたんですけど
(人格統合される方が健全だと思うので、
内心悲しく思っていたとしても
私なら本人にはそんなこと言わないと思う)
翠に呼びかけていたんだなぁと思うと納得。

そこそこ面白く読めたんですけど、
翠のうじうじした性格は好きになれず、
真優にもそこまで感情移入できずサラッと読了。

なんというか、二人とも現実感のない男なんですよね。
ちょっと昼食取るにしても、ちまちまミニオムライスと
5種のおかずのプレートランチ。女子か!
男らしさが皆無。

両想いになったら速攻挿入してたのは残念。
ローションないならその日は挿入は我慢しなよ。

一番ときめいたのはスイと嘉人くんのほのかな初恋。
その話だけは自分だけで持って行ったスイの気持ちが切ない!
その話を詳しく読みたかった!

タイトルはスイ視点からのものだったんですね。
スイは実のお母さんの思い出も一緒に持っていってしまった。
本物のスイのお話を読みたかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL小説
感想投稿日 : 2016年8月9日
読了日 : 2016年8月9日
本棚登録日 : 2016年8月9日

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