花の鎖 (文春文庫 み 44-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年9月3日発売)
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感想 : 957
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『花の鎖』
美雪と紗月と梨花、3人の女性の物語が順に繰り返される中で、3人を繋ぐ物語が見えてくる。

各章のサブタイトルで、雪月花が容易にイメージ出来た。その上、ドナー提供とKの存在とくればミステリー好きなら早い段階で先が読めてしまう作品だと思う。
私も、終始推理どおりに展開したため、途中でやや退屈してしまった。加藤泉さんの解説では2回連続で読むことを勧められているが、うーん…中弛みしてしまうので2度目は無さそうだ。

余談だが、私はどうしても希美子のようなタイプが苦手だ。人を対象にどっちかを選ばせるとか…こんな発想の女性を、何故浩一が妻に選んだのか疑問だった。
でも感覚がズレている同士で義母の夏美さんとは合うのかもしれないが。

ミステリー要素はさておき、本作で描かれている母親像については、世代背景の影響を踏まえて、上手く描いているなぁと感じた。女性の生き方や、母性を意識した作品の多い湊かなえさんらしい作品だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月21日
読了日 : 2023年9月21日
本棚登録日 : 2023年9月8日

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