13坪の本屋の奇跡 「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年

著者 :
  • ころから株式会社 (2019年11月27日発売)
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感想 : 29

書店等への取次経由の際の、ランク配本と、見計らい配本の問題。うっすらと問題が存在するということは知っていたけれど、現状、弱い者いじめのような制度がまかり通っていて、なすすべもなく町の書店が廃業に追い込まれてきた現実が分かった。
電子書籍化やAmazonの台頭などで優遇されている大手書店でさえ、撤退が進んでいるというのに客に商品を届ける末端の個人書店を大切にしていない。たとえ販売実績があったとしても、だ。
自分自身ベストセラー作家の本の発売日に近所の書店を回ったがどこにもなく、週末に大都市の大型書店にこれでもかと複数の場所に山積みされているのを見て、もはや買う気が失せてしまい、図書館で借りて済ませてしまったことがある。欲しい人と売りたい店があるのに、そこに卸さない。取次会社の、本や雑誌が売れなくなったという嘆きは聞くけれど、こんなことをいつまでも続けていていいのだろうか。
トーハンの天皇として君臨されていた方は問題を認めている。書店とやり取りをする現場担当者も状況を改善すべく、奔走してくれている、トップと現場が問題と感じているのに現実が変わらない、じゃあどうすればいいのだろう。
この本を読んで感じたことはいろいろあるけれど、これがすべてではなく、立場を変えれば違った主張もあるのだろう。いろんな情報、視点を仕入れて自分の頭で考えていくことが必要だと思った。
第2部の本屋がつなぐの隆祥館書店の「作家と読者のつどい」の講演録も読みごたえがあり、読みたい本が増えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年9月13日
読了日 : 2020年9月13日
本棚登録日 : 2020年9月13日

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