マインドマップを以前から知っていたので「仕事に役立つ」とうたうこの本につられて手に取ってみました。しかし、そもそも手にする本が違っていたのか、それとも自由な発想を求めるものがマインドマップであるのに対して自分がビジネス向けに得たいと思っていた指南そのものが存在しない、いわゆる「ないものねだり」だったのか。どちらかと言えば後者に当てはまりそうな気もしますが、あまり期待に沿う内容ではありませんでした。
マインドマップという手法そのものは思考整理法としてとても合理的で、深い思考から引き出された自分の考えに立ち返り、当初の目標や夢を達成するためや、複雑な現状を一瞬で把握するには優れたツールであることは私などが述べるまでもないことです。なので、シチュエーションにあわせてマインドマップをどのような言葉から展開すればよいのかを事例ごとに説明しているのは良いのかもしれませんが、いかんせんその事例もかえって要点を整理したり、どのように枝葉を伸ばしていくかについて語られたものでもなく、ただ数が多いだけのような気になってしまいました。
途中に紹介されているウェブサイトのURLが間違っていたりもしますし、校正もしっかりしているようには思えません。ビジネス思考法の本に掲載されているものでもみかけるようなものも多く見られ、マインドマップの有用性を再認識する以外にはなかなかこの本を通じて新しい発見はなかったように思えます。
かといって思考を地図化することの意味深さがダメだということは全くありませんし、私自身マインドマップそのものから恩恵を受けている人間ではあるので、今回は私個人の目的や期待と本の内容が不幸にも一致しなかったということだけにすぎません。また他の本があれば手に取ってみようと思います。お勧めの本をご存知の方、お知らせくださいませ。マインドマップをどのように使いこなし、自分の考えを整理するかということに決められたルールなどはなくて、その自由度故に誰にでも使いこなせる万能な発想法だという点が一番なのかもしれませんね。
- 感想投稿日 : 2009年8月27日
- 読了日 : 2009年8月27日
- 本棚登録日 : 2009年8月27日
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