罪の余白 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年4月25日発売)
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本棚登録 : 2813
感想 : 214
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罪を犯した咲という少女のの心理は捉えどころがない。そのため、最終的に罪を償う心理に至っているのかさえ描かれないし、被害者の父にとっても、この罪に対して少女がどうしてくれればいいのか、答えを持ち合わせていない、それがまさに余白なのだろうか。そしてその余白は、父の同僚であり発達障害を抱える早苗によって、心理的な理解や支えを超えた、日々を事実のままに生きる姿によって埋められていく。この点が単純な少女間のカースト意識だけによる事件ではなく、心と心の微妙なズレ・違いとしての物語性を高めているように思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月8日
読了日 : 2023年2月8日
本棚登録日 : 2022年12月26日

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