父と私の桜尾通り商店街 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2022年1月21日発売)
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本棚登録 : 1362
感想 : 123
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一般常識とされている感覚からずれた主人公たちの純粋な行動が、危うい均衡を失って、世間から残酷な仕打ちを受ける一瞬が書かれている作品集という印象。
どの作品も、じわじわと鈍い痛みを与えてくる。
けど、主人公たちのちょっと歪んだ世界観では、どの作品もハッピーエンドともいえるのかな、せめてそうであってほしい。

主人公の行動と周りの反応の落差が大きくて、ショックが大きかったのは「白いセーター」「父と私の桜尾通り商店街」。
登場全員の気持ちが一方通行な「ルルちゃん」のぼんやり不気味な感じが好き。
「ひょうたんの精」のコメディと切なさが紙一重な感じも好き(「ピクニック」に似た構造なのかな?)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月23日
読了日 : 2022年2月23日
本棚登録日 : 2022年2月23日

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