ナラタージュ (角川文庫 し 36-1)

著者 :
  • 角川書店 (2008年2月23日発売)
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本棚登録 : 9877
感想 : 926
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何度も読み返している大好きな作品。友達に貸す前に再読。
高校生で初めて読んだ時は、なんて大人っぽい小説!と大学生活に憧れたものだけども、大人になって読んでみたら、情景が浮かぶ映像的な描写と共に、仲間と過ごす青春の日々のきらめき、焦がれるような切羽詰まった恋愛感情が、強いノスタルジーを伴って押し寄せてきた。

主要登場人物みんな(特に葉山先生)、よく考えるとどうなの、という言動をしがちだけど、それぞれが身近に感じられるからこそ、様々なことを考えさせられるのだと思う。
でも男性は考えれば考えるほどみんな身勝手。島本理生さん、根本では男性を憎んでいるのではなかろうか。

雨と共に滲んで薄れていってしまう青春の記憶や人間関係の中に、葉山先生との思い出が、今も甘く膿んで鮮明に残る泉は、辛くも幸せだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月14日
読了日 : 2022年12月14日
本棚登録日 : 2022年12月14日

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