記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞 (ノンフィクション単行本)
- KADOKAWA/角川書店 (2014年3月7日発売)
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東日本大震災における福島民友新聞の記者たちの記録。特に、津波の犠牲になった相双支社の熊田由貴生記者(24)の物語を縦軸に、浜通りにいた記者たちがどう取材に立ち向かったかを描いている。この手のノンフィクションは新聞記者自身によって記されることは多いが、外部ライターが書くケースは貴重なのではないか。多少演出過多な描写もあるが、仲間を失った悲しさ、目の前で津波に飲まれた老人と孫を助けられなかった葛藤、新聞が発行できなくなるかもしれない焦りなどが伝わってくる。旧知の東電原発所長と再会して記者がお互い涙を流す場面や、毎日新聞の若手、神保記者に届いた母親からの「生きていてくれてありがとう」というメールなど、読ませどころも多かった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年6月25日
- 読了日 : 2016年6月25日
- 本棚登録日 : 2016年6月25日
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