映画にもなった円朝の名作。酒乱の旗本深見新左衛門と、深見に殺された盲目の高利貸皆川宗悦の因果が次の世代まで連なっていく。宗悦の娘、園と豊志賀、深見の息子新五郎と新吉。立派に育った子供たちだが互いを親の仇敵とも知らずに出会うや否や金と色に溺れて狂い人を殺し殺され崩壊していく。怪談話に括られるが実際は因果因縁の話であり、幽霊が明確に出てくるシーンはない。それよりも円朝が真景とは神経病、現代は幽霊なんているはずなくてそれを見るのは神経がちとおかしいからと説明するように、人が変わったような狂い方、暗闇から急に虫が湧きだすような神経病的恐怖描写と鎌や匕首で喉を掻き切るときの血飛沫の描写は日本のホラー映画、小説、漫画表現の源流と思わせる。
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- 感想投稿日 : 2020年11月22日
- 読了日 : 2020年11月22日
- 本棚登録日 : 2020年11月22日
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