上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社 (2013年5月24日発売)
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本棚登録 : 202
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西洋美術史を常設展をヒントに20世紀からさかのぼりながら考えていくというもの。
いつも大々的な企画ばかりをみんな見に行って、常設展示されている美術館のメッセージに気付いてほしいという願いも込められている感じ。
この本を読んで誰もが思うのが、もっと絵を載せてほしい、というのと、この女だれやねん、という疑問。でも、リアルタイムに館内を閲覧するごとく文章を楽しめたので良い。
写実に徹するのか、それとも印象のまま書くのか。新たな技法を使うか、宗教に忠実になるのか。いつだって時代に反動する形、もしくは呼応する形で絵画は描かれてきた。
産業革命からの原点回帰としてのラファエル前派の説明のところがとてもよかったが、これはこの本で勉強になったと満足できるものではなく、一刻も早く美術館の常設展に言って、その美術館のメッセージに気付きなさい。展示してあるものは、ただ美術館にあるから飾っているのではなく、ちゃんと編集されているんです。企画展ばかりに目が言っているのはお金がもったいない! という爽快なテーマで書かれているので、とてもいいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 星海社新書
感想投稿日 : 2013年9月22日
読了日 : 2013年9月22日
本棚登録日 : 2013年9月13日

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