おめでたこぶた (世界傑作童話シリーズ)

  • 福音館書店 (2012年2月5日発売)
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感想 : 8
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創作物語。
四匹の兄弟子豚が保護者的なアナグマさんと一緒に暮らしている日常を描いた短編集。
料理はトムが、庭仕事はビル、裁縫はアンの係り。いちばんちいさくておめでたいサムは皆の仕事にちょっかいを出します。
「オオカミ」
こぶたたちしかいない家に、オオカミがやってきます。四匹は力を合わせオオカミをやっつけます。
「みせものこぶた」
こぶたのサムは人間に捕まえられ、芸ができると思われてしまいます。アナグマさんに助けてもらうまで、人間の間で見世物として働かされたのでした。
「運だめし」
兄さん姉さんたちに用を言いつけられることがいやになったサムは運だめしにでかけます。途中で出会った牝牛、猫、犬、ミソサザイを仲間にして、サムは虹の足下に黄金を見つけます。けれども魔法のサンザシの枝にさんざん殴られてうちに帰り、また引き返してみると、そこにあるのは沢山のキンポウゲでした。ぶたにとってはキンポウゲこそ幸運だといって、大きな花束にして家に持って帰りました。
「ほうきの木」
アンにいわれてサムは法規にするための小枝を探しにでかけます。途中でキツネに会いつかまってしまいますが、ミツバチの巣のあるところを教えて逃げ出すことができます。そしてあおむけになって木を見上げて、それが探していたカンバの木だということが分かりもってかえることができました。
「たきぎ」
アナグマさんに大切なロープを借りて、サムはたきぎを探しにでかけます。キツネに会うと、キツネは手伝うといいながらたきぎをきつくロープで結んでしまいます。サムは川でおぼれそうになりきつく結ばれたたきぎを伊方代わりにして川を下っていきます。アヒルに助けられてまた川を上り、家まで戻ることができました。
「水の魔法」
一日中雨が降っているので、雨が好きなサムは家の中にも雨が降ればいいのにと思います。すると雨を縫い付けたり、雨桶の中にきれいな魚が洗われたりと不思議なことが起こります。夕食のあと訪れてきた人は実はサムの言葉に誘われてきた雨そのものでした。
「昔話とわらべうたの雑記帳」
訳注の代わりにとして、下敷きとなっている昔話やわらべうたの解説が詳しくしてある。
サム・ピッグのぼうけんが、すがはら ひろくにさんの訳、やまわきゆりこさんの挿絵で可愛らしく再編集されている。一つ一つのお話はみじかいので、物語を読み始めた一年生や、大人に読んでもらう年長児にも適している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 低学年
感想投稿日 : 2017年12月26日
読了日 : 2017年12月25日
本棚登録日 : 2017年12月25日

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