タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (1967年2月16日発売)
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タテ社会とは、タテの上下関係でできあがっている社会。動員は早く、一気に末端まで指示を浸透できる。リーダーとの人間関係という感情的な要素が強く、結束が強い。ただし、ヨコの連絡調整はタテの構造を弱くさせるということにもなる
ヨコ社会とは、ヒエラルキーによって作られないので、個々の意見が同様に扱われるので、意思決定をして進むには論理プロセスなどが必要になる。また、新規参加にあたっては、同列にすぐ参加できるが、何らかの資格が必要で、排他的になる。ただし、リーダーに依存していないため、個人がいなくなっても、集団組織は存続しえる。

タテ ヨコ
動員力強い 意思決定に工夫が要る
開放的・新規参加容易 排他的・新規参加に資格が必要
横の関係が機能しにくい 孤立などが起きにくい


アジャイルの文脈でSAFeというのがあるが、
これはタテを重視してスピードと伝達能力を活かすやりかたになっている。

でも、Amazonなどの組織の作り方や、もとのスクラムというのは、このタテの重視では無かった気がする。タテを使ってスケール指せる要素はあるとおもうが、ヨコを重視する側面がある気がする。
整理がおいつかない。


(追記)
タテ・ヨコという構造のほか、契約による構造という提示があった。

なるほど。
タテの社会というのは非常に優しい世界で、個々人を尊重するスタンスがあくまで求められる。
ヨコは、組織を動かすには向かないので、どうもそれだけでは成立しない。

契約の社会というのは、優しさがなくて、厳しさのなかで、組織が一定の契約で結びつく。
これだと、今の日本のメンバは、どこにも守られない中で、耐えられないかもしれない。
ただ、テレワークという中で、タテの結びつきを作る場がなくなりつつあり、さらに組織構造も薄くなった。
この中で、タテを求めて、優しさを求めてしまうと、キビシイ世の中になってしまう気がする。

もう少し整理しよう。

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感想投稿日 : 2022年8月19日
読了日 : 2023年5月7日
本棚登録日 : 2022年1月5日

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