911がアメリカにもたらしたもの。対テロの名のもとに作られた「カネのなる木」、「報復ゲーム」、そして「国家総トップシークレット化」。それはいわば、歪んだ「夜警国家」とも呼ぶべき究極の疑心暗鬼社会。興味深いのは、アルカイダの脅威が一段落ついた今、本来ならば911以前の社会に向けてソフトランディングしてもいいようなものだが、そこに現れた新たな脅威は、対テロ予算縮小を懸念する国内の民間団体。政府との癒着網を構築し、既にサイバーセキュリティとインテリジェンス市場を確保しているようだ。一度甘い汁を吸うと止められない人間の本性。ナオミ・クラインのショックドクトリンが霞んで見えてしまうぐらいの衝撃を受けた。
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- 感想投稿日 : 2015年5月24日
- 読了日 : 2015年5月24日
- 本棚登録日 : 2013年12月22日
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