生活保護:知られざる恐怖の現場 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年7月10日発売)
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感想 : 19
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著者はNPOで働く人らしく、本書は受給者の権利など、生保を受ける人の立場にたった内容になっている。北九州市で問題になった水際作戦など、生保受給をさせまいとしたり、開始後も打ち切りを強要したりという事例について批判的に書かれている。

・市役所のケースワーカーは専門職ではない。数時間の研修を受けただけの人がほとんど
・歯科治療を受ける人の割合は、生保をうける直前の所得層が一番低く、生保受給者になったとたんに跳ね上がる。すなわち、所得が下がると医療を差し控えているのが、生保になって受診の抑制がはずれる

・1か0かではなく、中間的な福祉を可能にすることが必要。生活保護法は1950年の制定以来全く変化していなかったのが2013年に改定され、住居費のみの補助などが可能になったことはよろこばしいが、扶養義務者に対して資産や収入の申告を求めるなど、より強く扶養を要求することが可能になったことは、今後、保護の抑制につながるのではないか

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2013年8月18日
読了日 : 2013年8月18日
本棚登録日 : 2013年8月18日

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