この手のボキャビル本の中では最高峰にあげられることの多い著名な一冊。しかし、この本が教えるのは、単純な単語と語義の一対一対応ではない。前書きから最終章に至るまで、一貫して語られるのは、何歳になっても様々な分野の本を読み、知的に成長し続けることの重要性である。
単語集としては、1節ごとにあるテーマに基づいた単語を 10個覚え、その語源と、語源に基づく類語を50〜100ずつ覚えていくというもの。日々変化しつつある英文法やミス・スペリングの矯正方法に関するショート・エッセイ、総復習問題などを間に挟みながら、12のテーマが紹介される。
著者は、「単語は概念を表すシンボルであって、新しい単語を覚えるということは、新しい概念を身につけることに等しい」と主張する。つまり、語彙を増やすということは、単語と語義を丸暗記するということではなく、その分野に興味を持って本を読んだり、人と話をしたりすることで、その概念を獲得し、知的に成長することなのだと。著者は繰り返す「大学を卒業した人々が豊富な語彙を持っているのは偶然ではない。成功した人々が豊富な語彙を持っているのは偶然ではない。彼らの語彙の豊富さは、様々な分野の本を読み、様々な人々と接っし、彼らが知的成長を遂げた結果なのだ」と。そして、「人間は誰でも、何歳であっても、語彙を増やし続ける、つまり知的に成長しつづけることができるのだ」と。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
語学
- 感想投稿日 : 2012年8月12日
- 読了日 : 2012年8月12日
- 本棚登録日 : 2012年8月12日
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