なによりも、そのタイトルが気に入って読んでみたものの、Remarkable Things は奇跡じゃないし、それが素晴しいものであることに変わりはないものの、本当のことを表してはいない。
処女作がブッカー賞候補にもなったという話題の作品で、邦訳も何かと趣味のよいシリーズから出版されていて、そのシリーズは新潮クレストなのだけれど、正直あんまり好きになれない。
こういう精密なデッサンのような小説は嫌いではなくて、その独自の文体は、原文からしてかなり特異で詩的なものらしいけれど、それが翻訳によってどの程度再現され、失われているかも判らなくて、でもそういう文体が今一つ響いてこない感触で、実際のところも実験小説の域を出ないのではないか、とわたしは思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年1月8日
- 読了日 : 2015年1月7日
- 本棚登録日 : 2015年1月7日
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