1973年に生まれて: 団塊ジュニア世代の半世紀

著者 :
  • 東京書籍 (2023年7月6日発売)
3.43
  • (8)
  • (24)
  • (35)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 364
感想 : 29
4

【きっかけ】
 まさしく1973年生まれである自分にとって、育った時代そのものが一冊になった。
 そういう一冊だからこそ集中力を保ちつつ読むことができた。少しずつだったけど。

【感想】
 50年経つのかという思いと、これから先どうなるのかという不安がないまぜな気持ちにさせられた一冊だった。著者の意図としては、ノスタルジーにならないよう構成など気を使って書いていたようだが、全般的に自分は完全にノスタルジーに浸った。1980、1990、2000年代記。団塊ジュニア世代として多数派の人口も50歳前後の時がきた。
 この本を買った動機の一つは最近の生きづらさもある。頑張ってここまで来たけど息切れしてきた。どこまでも世代として人が多いということは今の時代、同世代格差とか分断とかいろいろ言い募られる。自分以外の人の生き方はどうであったのか知りたいということもあった。

 どこまでどうように頑張ればいいのか。という自分の思いは読んで当てが外れたが、紋切り型の文章、スバっと展開の切り替えも早くその時の時代の空気感は伝わった。反ロスジェネと帯にあったが、これを読んだからと言って今が変わることはない。
 ロストはロストなだけにそこまでのことを著者が意図したかどうかわかりかねた。また、これからの10年をどう生きるかという指標ができるわけでもない。これを読んで同時代を俯瞰し自分自身をどう納得させてられるかという本だと感じた。
 自分はそういう意味でもノスタルジーを感じたし大いに懐かしんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会・経済
感想投稿日 : 2024年1月15日
読了日 : 2023年10月4日
本棚登録日 : 2023年10月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする