辺境から世界を変える ――ソーシャルビジネスが生み出す「村の起業家」

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2011年7月8日発売)
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感想 : 30
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感想は前半の事例の部分がよかった。貧困層からイノベーションが起こり、新たなビジネスが生まれていることがわかった。そのビジネスって先進国では本当に当たり前のことで、例えば「電気」。貧困層はただでさえ少ない収入を、灯りをつけるために灯油を買っている。灯油の灯りは空気も悪い。そこで太陽光発電を利用したサービスや電機を開発し、ビジネスとして成立させていった。また「流通」。貧困層が住む僻地は、流通網が発達していない。それゆえに日常品が適正な価格で販売されていない。だから貧困層に住む人は、結局高い物を買わざるを得なくなり、貧困の連鎖から抜け出せないでいた。しかしそこに目を付け、「欲しい物を、欲しい時に、欲しいだけ届ける」というビジネスを行った会社があった。もちろん日本のように道路は整備されていないけど、それでも何十時間掛かっても届けるのだ。「電気」も「流通」も、社会ビジネスを可能にしているのは、「携帯電話」の存在だ。IT技術の向上と普及がビジネスを成立しているんだと、本を読めばよくわかる。読んでよかった。とても刺激になったし、「それがビジネスだよな」とも思った。貧困層の市場規模は、今後400兆円にのぼるだろうと言われている。そのどれもが先進国では「当たり前」なことだ。大きく考えつつも、末端の人に善意が届くような行動や仕組みが大事だと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記啓発
感想投稿日 : 2013年3月30日
読了日 : 2013年3月30日
本棚登録日 : 2012年9月15日

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