国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2016年7月21日発売)
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感想 : 74
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 とても熱い人が真剣に考えを吐露した本で、生ぬるい自分の気持ちが引き締まる思いと、もっと広い視野或いは別の視点があってもいいのではないか、との両方の感想を持った。
 作者は、陸軍中野学校出身の父親の影響をいつのまにか受けて海自に入り、やがて北朝鮮不審船事件に現場で遭遇することで本物の戦闘を知り、特殊部隊創設、自衛隊退職後のフィリピンでの訓練などを通し、自分の生命を賭して国を守ることを考えてきた。
 頭で考えた理屈ではなく、生死の境を見るような訓練や現場を通しての思想なので、実に厳しい。しかし、そこには本当に国や国民を想う心があるので、説得力が増す。学者や評論家の意見ばかりではなく、時には本書のような現場を知る人の考えも聞くべきであると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読んだ本
感想投稿日 : 2017年1月3日
読了日 : 2017年1月2日
本棚登録日 : 2017年1月3日

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