「いえ、まだ迷ってるんです。あんまり自信がなくて……」
──「アーモンドフィッシュ」大久保慎吾
あたしはいつになったら、またあんなふうに心からはしゃげるようになるのだろう。
──「ハヤシライス」片桐朋華
結局わたしは、どんなものにも夢中になることができない、そういう性格なんだろう。
──「ミートボール」浅見楓乃
「……どうしておれは、おまえみたいになれないんだろうな」
──「クリームシチュー」高城修
「……ぼくは、そんないい人なんかじゃないです」
──「くじらの竜田揚げ」三熊
「あきらめられなくても、あきらめなくちゃいけないの」
──「牛乳」小宮山千秋
それぞれに迷いや悩みをかかえる6人の中学2年生
給食と友人をきっかけに自分を見つめ、変わっていく
“あたたかな音色を奏でるアンサンブルストーリー”──カバー袖の紹介文
1年生6人を描いた『給食アンサンブル』(2018年)につづく連作短編集、2022年10月刊
「ハヤシライス」の朋華の章に『給食アンサンブル』の美貴(「七夕ゼリー」)が登場したりして、前作を読み返してみるのも一興
〈物語は現実を写しとるものであると同時に、願いを映しだすものでもあります。かつてのようなたのしい給食の時間が、1日も早くもどることを願って、この物語を読者の皆様に贈ります。〉──版元プレスリリース「作者の言葉」より
『マスク越しのおはよう』がマスクありの学校生活をリアルに描いた秀作なら、本書はマスクなしの学校生活をリアルに描いた秀作
- 感想投稿日 : 2022年11月22日
- 読了日 : 2022年11月18日
- 本棚登録日 : 2022年11月22日
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