複雑で繊細な心の機微の描写にかけては、有川浩は当代随一の作家だと思う。
題材が航空自衛隊であれ架空世界の図書館であれ県庁であれ、彼女の作品は実に登場人物の心の動きを丁寧に描く。それを読んで改めて自分が他人の心へ思いを馳せていないか実感した。
正直私も思っていました。児童施設の子ども達を「かわいそう」だと。
そこには偏見や悪意もなく、ただ無知なるが故にかわいそうな子ども達だと思っていました。ほんの少し事実を知って、子ども達自身の気持ちを考えてみれば簡単に思い至ったかもしれないのに。
そんな事を考えさせられつつも、読後は心が温かくなる有川浩ならではの佳作です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年4月5日
- 読了日 : 2023年4月5日
- 本棚登録日 : 2023年4月5日
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