グローバル恐慌: 金融暴走時代の果てに (岩波新書 新赤版 1168)

著者 :
  • 岩波書店 (2009年1月20日発売)
3.53
  • (9)
  • (30)
  • (37)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 305
感想 : 38
4

「モノとカネが結びついたところで資本主義が出現したのであれば、モノとカネが決別した今、我々は一体何と呼ぶべき経済体制の下に身をおいているのだろうか。そのような経済体制はどのような原理に従って動くのだろうか。」
サブプライム問題に端を発する「世界金融危機」を、筆者は「グローバル恐慌」と呼ぶ。
恐慌といえども、1929年の大恐慌とは違う。
マネーゲームといわれるように、モノの後ろ盾のないカネが暴走し、実体経済を蝕む。どこかでひずみが生じれば、IT化により全世界がまさに同時に影響が波及する時代。
しかし、いずれも恐慌とは、原点回帰の調整機能の発動だという。
なるほど、仕組みが矛盾を内包するのであれば、いずれ破綻することは見えている。
その調整のために、多くの人の暮らしを奪うものであれば、仕組み自体を根本的に見直さなければならないのではないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2011年12月31日
読了日 : 2011年12月31日
本棚登録日 : 2011年12月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする