先日は、鷲田先生の「顔の現象学」を読んだが、今回は、先生お得意の「衣装:着ること」について。本の元になっているのは、NHKで放送された、「課外事業 ようこそ先輩」という番組で、有名人が母校の小学校に行って授業を行うというもの。「着飾る自分、質素な自分」というタイトルで、小学生とワークショップ形式で、哲学対話を試みている。
京都育ちの鷲田先生は、舞妓さんと坊さんという、着るものについて両極端の人たちと、子供のころから身近に接していた。このため、身にまとうものについて意識的だったようだ。
衣装・モードなど、極めて恣意的でおよそ変化してやまないものを、哲学という変化の奥にあるものの探求手段とするところが面白い。
自分と自分に対する関係、自分と他人に対する関係を考えるのに、衣装や顔といった対象は格好のテーマである。
あらためて、自分の着るものや顔について、なぜを問い返してみると、凝り固まった自我に囚われていたことに気づく。私自身、先日自身の誕生日を境に、自然とそのことを問い直し始めており、色々と変化させることに手を付け始めていた。
丁度今週、鷲田先生の「顔の現象学」についてのワークショップに参加する予定だ。自発的に起こった自分の中の変化を加速させる契機としたい。哲学のワークショップは久々なので、この本の元になった番組レベルに、お手柔らかに願いたいものだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2014年10月12日
- 読了日 : 2014年10月12日
- 本棚登録日 : 2014年10月12日
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