おジャ魔女どれみ17 2nd ~KIZASHI~ (講談社ラノベ文庫)

  • 講談社 (2013年10月2日発売)
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感想 : 7
4

進路に迷う中、他の友だちは着々と行く道を決めていく。
そんな中どれみはどうしようかと迷うに、迷う。
そんな進路に迷う一人がサッカー部のレギュラーの中にもいて……。
という始まり(一章)がこの巻。

実際、受験のために部活をやめる友だちがいなかったのでなんとも言えませんが、色んな事情が人それぞれあるんだと思います。
巻中で、人をよく見ているということをどれみは指摘されていますが、最初の頃と比べてマネージャーとしても、人としても成長しているように思えます。
それは周りにいる友だちがいろんな状況に置かれているからともいえます。
ですがそんな周りの友だちですら、マジョリカや、ララからしてみれば、
「まだまだレベル1」
成長の兆しをそれこそ見せ始めてはいるもののということでしょうかね。

私事ですが昔のことを思い出すと、専門学校行くのを昔はダメって、
言われた記憶があるのに、親は『そんなこと言っていない』と最近言われたことがあります。
なので、大学入学を目指して試験勉強を高校2年後半からしていた気がします。
……結局のところ、その大学でやりたいって思っていたことってやっていないんですよね。
そのままの流れで今となっていますが……無駄ではなかったと思いたいですね。
それは、その後の数年間も同じです。

と、話がそれてしまいましたが、
そういう意味だと……間に入っていた物語(二章)、司さんの経験(他の仕事)を活かす、境遇を活かすってことを今しているのかなぁとふと考えてしまいます。
何にしても第二章は、外伝のような感じのものですね。
ですが、そういうものをちょこっと挟めるのはさすがだなぁと思います。
手馴れてる感じゃないですが、本編から離れているわけでもないが、近くもない。
バランスがうまいですね。
未来を迷っている友だち、道はあるけどそれはそれでどうなのとおもう友だち、家庭の事情で家にいられない友だちと。
迷わないって難しい。

第三章は人の成長ですかね。
これも経験といえば、経験ですが意識力を高めるという効果もあったかもしれませんね。はづきの輝きはそういう意味だと、前巻のお話があったからこそより光っているのでしょう。
どれみも言うようにヴァイオリンスキルは天才に近くて、そうであったとしても努力し続けるってのは、本当に凄いなと思います。
好きだからってこともありますが、絶対になるという心の強さもあるのでしょうね。
それに……ばあやとの約束もありますしね。

第四章で、帯に書かれたおんぷの恋についての話なのですが、
『ま、まだ早いよ』ってそういう意味だったの……?
とはいえ、これが恋なのかどうかははっきりとはしないですね。
どれみ的にはファンと、ファンの対立のように写ったようですし。
そんな場面で、ルナという別の強い自分、強い心をもったはづきも現れたり、現れなかったりとドタバタ。
無論、どれみの恋の進捗状況は変わらない。
国立が最初のスタート地点ですものね。

第五章
冒頭部分の思い出は、思い出ごとじゃなくてきちんと意味があるものでしたね。フラグを活かすというか、昔の伏線を回収していくというべきなのでしょうか。
ここにきて、どうしてハナちゃんが東大のとあるコースを目指しているのかがはっきりします。
――魔女を医療で助けたい。
真っ直ぐな娘に成長したなと思います。
そしてどれみが育てたという雰囲気を醸し出しているようにも思えました。
ところどころ、なんか似ているなぁというのがこの小説シリーズにあるように思えます。
そんな感動に浸っている中、ハナちゃんが大事件を起こすわけですが、
「子供かよ!」
とか思っていましたが、そういえば見た目高校生の中身小学生でしたね。
但し天才ですが。
ここでアニメの最終話の話を持ってくる辺り、原作を見ていた人間としては『あぁ』と声を漏らすシーンですね。
成長したな、どれみというやつですかね!
そういう意味だと、ハナちゃんも赤ちゃんから小学生へと精神年齢がきちんと上がってるのだと思います。
どれみの言葉に耳を傾けて、先生たちの前に行くシーンは本当に、どれみとハナちゃんの成長を感じさせますね。
それがどれみらしさというものなのでしょうが、代わりに打たれて尚更話を聞いてくださいと、説得する。ほんと親子ですよね。この二人は。

そのハナちゃんの言葉による説得後、職員会議によって、一日の停学へ。
そして、二つの条件付きでチアリーディング同好会を作っていいことに。
ここでももこが参戦するわけですが、言い出しっぺの法則というのもあるでしょうが、やはりあと一年しかないから、高校生を満喫したいという兆しをここで再び見せました。(最初は藍への想いからのパティシエールへの兆し
残業してもやりたいことって、何かみんな凄いなと物語なのにそう思えます。純粋さというのでしょうかね。

そんな大事件だったハナちゃん学校立てこもりは、近くの人なら誰でも知っているニュースとなって、ハナちゃんの元へと駆けつけてくる。
そんな中で関先生が再び登場。
この人なんかほんと凄いな。
そしてよく人を見ているし、いつも生徒たちのことを気にかけてくれている。
ん……どこかにそんなキャラクターが……。

さて……みんなが知っているどれみに最も適した職というのは果たして……?
それは明かさずハナちゃんの校長室での言葉で、
どれみはとあることを意識し始めて、眠りにつき、
この巻は終わりとなります。

全員が全員何らかの兆しを見せ始めました。
この小説のサブタイトルにもなっているKIZASHIがようやく全員に行き渡ったのかなといった感じです。
物語は終盤へと進んでいるかと思いますが、
ぽっぷは何を迷っているのか、気になりますね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2013年12月13日
読了日 : 2013年12月13日
本棚登録日 : 2013年12月13日

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