パリの音楽サロン ベルエポックから狂乱の時代まで (岩波新書 新赤版 1982)

  • 岩波書店 (2023年7月20日発売)
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音楽ってかつては(17世紀)は教会と王様が命じて作らせていた。作曲者も彼らのために曲を提供した。それが18世紀後半、ベートーヴェンからは作曲者が自発的に創作するようになる。芸術になる。とはいえまだまだ王侯貴族からの援助がなければやっていけない。
19世紀、市民社会の到来とともに音楽の保護者はパリではサロンになる。貴族やブルジョアの女主人が、音楽家に出会いと世に出る機会を与えたことになる。これが20世紀ではコンクールになる。コンクールって民主主義の産物で、審査員が協議して優秀者を選ぶ。でも音楽の価値を多数決で測れるのだろうか。パリの音楽サロンって鼻持ちならないけど、優れた目利きが偉大な音楽家を見出した功績はあるよね。彼女たちがいなければドビュッシーは成功しなかったろうな。ましてやサティなんかてんでだし、「春の祭典」も上演できなかったろうなぁ。

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感想投稿日 : 2023年9月29日
読了日 : 2023年9月25日
本棚登録日 : 2023年9月27日

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