行動科学で人生を変える (Forest2545Shinsyo 11)

著者 :
  • フォレスト出版 (2010年4月8日発売)
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本棚登録 : 219
感想 : 31
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筆者によれば、個人の行動は科学によってマネジメント可能だという。ここでいう科学とは、再現・検証可能であるということだ。つまり、とことん客観的でなければならない。

一般的に個人行動のマネジメントというと、「やる気」や「モチベーション」などあいまいで抽象的なことばで片付けられてしまうことが多い。このような言葉は一見個人行動にポジティブな影響を与えると思いきや、主観的であり抽象的であるために、言われた本人はどうすればいいのかが分からなくなってしまうのである。従って、真に個人行動をマネジメントしたいのであれば、科学的にそれを説明し実行させなければならない。

以上の問題意識を前提に、本書では個人行動におけるABC理論(選考条件、行動、結果条件)の三つに分解し、それぞれにおいて個人行動を促進/疎外する要素を見出していけばいいということを主張する。この提案は非常に具体的であり、誰が読んでも普段の生活に取り入れやすいものだ。そこらへんに売っている自己満足な主観論を語る「啓発書」よりよっぽどポジティブな効果があるだろう。

以上の内容を持つ本書だが、いかんせん文章が無駄に長い。愕然とするのは、終章の4ページほどに簡潔にまとめられている内容を、ダラダラと無駄に引き延ばして書いていることだ。これは本の厚さを増したいだけなのか、それとも筆者の作文能力の問題かは知るよしもないが、本書を読む場合、飛ばし飛ばしかまたは終章だけ読めば十分だろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スキル系
感想投稿日 : 2012年10月23日
読了日 : 2012年10月23日
本棚登録日 : 2012年10月22日

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