塩野さんの「海の都の物語」の舞台であるヴェネツィアについて,美術の観点を中心に,歴史とヴェネツィア人が創り出した作品を中心としてまとめられた作品です。半年ほど前に出版された「ヴァチカン物語」と同じシリーズです。
最初の塩野さんのヴェネツィアに関する,美術や観光という観点から見た文章は,塩野さんとしては珍しい観点からのものだなと思って読んでいました。ヴェネツィアには,新婚旅行で一度行ったことがありますが,そのときも,塩野さんがここで書いていらっしゃる「色彩」に強い印象を持ちました。ヴェネツィアといえば,その独特の構成や,海,島,橋といったところが特色ですが,それに加えて「色彩」というのも大事な要素だということを,今回再認識できました。
また,中盤以降の宮下規久郎さんの「ヴェネツィア美術案内」で,これまでのヴェネツィアの美術史の知識をより体型的に,深く理解することができたと思います。やっぱりヴェネツィアは,ティツィアーノ,ティントレット,ヴェロネーゼの3人の存在が大きいですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
塩野七生
- 感想投稿日 : 2012年6月17日
- 読了日 : 2012年6月17日
- 本棚登録日 : 2012年4月25日
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