付き合った男からさんざん搾り取り、やがては命までも奪っていく女。「夜の間じゅう、私が気持ちよくなれるようなお話をしなさい」と、死なそうとしている男に命じる。その内容により、男はつかの間の延命を許される。
最初は普通のサスペンスなのだが、途中から物語の様相が変わっていく。ある男のするお話の中で、登場人物が誰かに話をする。そしてそのお話の中でまた別の人物に……と、マトリョーシカのように何層にも物語が重なり、次第にその境界線が曖昧になっていくのだ。
そして最後、結末が冒頭部分にループする。かくして、この物語の「夜」は終わらない……。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
不思議な気持ちになる
- 感想投稿日 : 2014年10月20日
- 読了日 : 2014年10月15日
- 本棚登録日 : 2014年9月30日
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