晩年 (新潮文庫)

著者 :
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感想 : 298

太宰治の処女作品集。全15編。当時27歳。
自殺を前提に遺書のつもりでせめて自分の一生を書き残したいと懸命に書かれた作品。
劣等感や罪悪感。生きることへの絶望はありながらも、悲壮感や切迫感はあまりなく、むしろ"死"より"生"を強く感じた。
太宰治の繊細な内面が、一編ごとに違ったテーマで様々な技法を駆使して描かれており面白い。
「道化の華」では「人間失格」の主人公が出てくるなど作品同士の繋がりが嬉しく、「ロマネスク」は特徴的な三人の童話風の話が印象に残り、「雀こ」は津軽弁で語られる故郷と井伏鱒二への愛を感じた。
彼の生き方に共感できるかは別として、彼の弱さは誰もが心のどこかに持っているもののような気がする。
太宰治のことをもっと知ってから読むともっと深く読めるのかな。
少しずつ読み進めます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月11日
読了日 : 2023年6月1日
本棚登録日 : 2023年6月1日

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コメント 3件

1Q84O1さんのコメント
2023/06/11

ひろさん♪
『走れメロス』に続いて読み進めていますね
( ̄ー ̄)ニヤリ

ひろさんのコメント
2023/06/12

1Qさん♪
着々と読み進めてますよ~( *´艸`)ウフフ
太宰さん、遺書のつもりでこんな多彩な物語を書かれていたとは驚きでした~

1Q84O1さんのコメント
2023/06/12

ひろさん、文豪恐るべしですね(゚д゚)!

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